レッスンで使用するテキストを紹介いたします。
ピアノのレッスンは、大きく分けて
導入期 ▶︎ ブルグミュラー ▶︎ ソナチネ ▶︎ ソナタ〜
という段階を経て上達を目指していくわけですが、とりわけ導入期からブルグミュラーの時期のテキストが世の中に多く溢れていて、ブルグミュラー以降の流れはどこのお教室もだいたい同じではないかと思います。
そこで、ここでは主に導入期のテキストについてご紹介します。
基本的に、右手ト音記号、左手ヘ音記号の大譜表の譜面で、両手が中央ドから徐々に音域を反進行に広げていく方法で指導しています。
その途中で、テキストによって左手の音域を右手と同ポジション=ユニゾンのスタイルになっていくものもあります。一部ご紹介したいと思います。
メインテキスト
バスティン オールインワンシリーズ
オールインワンシリーズという、現代の忙しい子供たちへ、これ一冊で「弾く・書く・読む」ができてしまうというテキストです。バスティンの講座も楽しくてすごく勉強になります。
バスティンも、基本的には両手中央ドからの展開ですが、最初は5線の譜面ではありません。導入は黒鍵からスタートし、はじめの段階から5本の指をくまなく動かして、よりたくさんの「音を鳴らして聴く」を体験できます。5線譜の楽譜の曲に入った時に、音読みをしながらどんどん進んでいけます。
楽譜に対応した伴奏音源が入っているスマホのアプリ+Bluetoothスピーカーから伴奏を流して、一緒に弾いてもらいます。伴奏がアメリカっぽくてノリがいい!最近はもっぱらこちらを使用することが多めです。
ピアノアドヴェンチャーシリーズ
こちらもバスティンと同じタイプですが、導入期から良い音を出すための大切な手のフォームや、手首の使い方を、身近な動物イラストで、動作をまねてイメージしながら自然に学べます。バスティン同様、黒鍵からスタートして、譜面にていねいに弾き方のポイントが書いてあるのでおうちの練習でも迷うことがありません。
MIDI音源専用アプリは、テンポを変えても音が歪まず、音質の良い伴奏でアンサンブルができます。タブレットなら譜面も演奏に合わせて動くので視覚から一定の拍子感を体感することもできます。
テキストが進むと、伴奏づけや、メロディを作ってみたり、クリエイティブな部分も育つテキストです。
ピアノランドシリーズ
両手中央ドからゆっくり進んで行きます。ドが弾けたらドとレの曲、というふうに。音源といってテキストの曲に、オーケストラの伴奏が別にあって、それをスピーカーから鳴らして、「伴奏と合わせて弾く」というアンサンブルも楽しめます。伴奏もとてもよく考えられていて楽しい伴奏です。著書である樹原先生の講座も受けました。
8分音符や8分の6拍子も早い段階から出てきて、最初から幅広いジャンルの音楽に触れられる教材です。3巻になるとちょっと難曲もあるので、3以降が頑張りどころ。
オルガンピアノの本シリーズ
こちらも最初は両手中央ドですが、ピアノランドよりも早い段階で音域が広がっていきます。鍵盤と譜面をリンクさせた絵が掲載されているので、ポジションの意識を身につけてもらえると音域が広がった音もクリアできるようです。
このポジションがのちのち、音階のお勉強につながっていくので先行体験する感じです。昔から使われている安定のテキストです。
トンプソンシリーズ
導入3巻のテキストがすごくかわいいです。新しい音が出てくると、怪獣のようなキャラクターが譜面の音符を指差して(アイキャッチ)いるイラストがあって、子供さんの目に止まりやすい工夫がされています。
音楽表現の説明やテクニックが詳しくされており、初期段階でピア二スティックな演奏法が身につきやすいです。楽譜を分析するのにも向いています。
アルフレッドシリーズ
初めて習う生徒さんが高学年のお子さんによく使用します。テキストの表紙がちょっと大人っぽい感じですね。シリーズの途中から使うので、このテキストだけはCポジション(左右ドレミファソと置いたポジション)からスタートします。
テキストの進度に合わせて新しい音階が取り込まれていて、自然に全てのスケールの曲が弾けるようになっています。
テクニック系
ピアノ、演奏テクニックが必要です。ピアノには決まったテクニックの奏法がたくさんあってそれらを学ぶためのテキストを私たちは「テクニックのテキスト」と呼んだりします。それが以下です。
ピアノランドテクニック
ピアノランドと一緒に使うことで効果的なテキストです。このテキストはピアノの先生が読んでも改めて「ピアノのテクニック」というものを考えさせられる素晴らしいものです。私は、講師になりたての頃にこのテキストに出会って衝撃を受けました。
難易度的には、曲は短いけど奥深いので理想に近づくのは難しいなと感じます。個人的には下巻などはブルグミュラーあたりで改めて使ってみても良さそうだなぁと思います。
バーナムピアノテクニック
一曲が4小節と短く、繰り返すことで何度も同じテクニックを反復練習できてしまうスグレモノです。
スタッカートや、2音のスラー、3連ぷ、ペダルの練習、保持音の練習など、さまざまなテクニックを導入期から楽しんで身につけられるテキストです。
ピクトグラムのようなイラストもシンプルだけど、テクニックのイメージをしやすい配慮がされています。
副教材(ワークなど)
リズム感を養う、譜読みのトレーニング、楽典(音楽のセオリー)に特化し、音楽の知識を深めるためのテキストです。メインテキストを補完する役割もあります。
最近の私のレッスンの傾向としましては、導入期は、ピアノのテキストを何冊も弾くよりも、こちらの副教材をメインテキストと同じくらいの時間を使ってレッスンしています。
にじいろワークブック
にじいろワークブック
音ぷが「読める」「書ける」が同時に身につくワークブックです。1音ずつ覚えたら新しい音というふうに無理なく読める音ぷが増えていき、自然に音読みができるようになります。
ド〜シの7音にそれぞれ色分けがされており、音符に色を塗る、読む、書くをひたすら繰り返し、基礎固めしていきます。
メインテキストの音域とリンクしているので、私が使っているテキストと相性が良いのでよく使うワークブックです。
おさるのど
「すぐに覚えて忘れない」のタイトル通りのテキストです。音を動物などのイラストに例えて、5線譜のどこに何の音があるかが覚えやすく、インパクトもあるので本当に忘れないです^^線と間の理解もできるようになっていて、最近の私の「推しテキスト」です。
幼児版もあります。こちらもすごくかわいいです。
リズムの本
リズムに特化したテキストです。音楽の3原則である、メロディ、リズム、ハーモニーの「リズム」に強くなるために、いろいろなパターンのリズムを覚えていきます。フレーズを見たらリズムの言葉が自然に出てくるようになるのは、ピアノが弾けるために欠かせない感覚です。見開き4問ずつなので、テキストがどんどん進む感覚も楽しいようです。
だいたいこれらのテキストを組み合わせ、生徒さんの年齢、タイプによって選んでお渡ししています。
導入期〜基礎のメインテキストは一冊または2冊に、プラス副教材です。
メインテキストは一冊だけでも一週間に数曲弾くということが可能なので、テキストも早く消化できますし、メインテキストの進度はそのままレベルアップにリンクするので、複数のピアノテキストをこなすよりも集中して練習に取り組めると思います。
進度を見ながら途中から、テクニックのテキストを増やす、という形になっていきます。
導入期の教材は、新しいスタイルのテキストが続々と出版されています。
ここ2、3年でも「あぁ、このテキスト使いたいけど、次の巻はまだ出版されてない> <」と諦める場合もあり(泣)そのくらいのスピードで新しく出ています。
「おさるのど」シリーズはまさに、昨年から今年の出版なんです。そういうわけで、楽譜売り場に行く時はいつも小一時間はじっくりチェックしています^^
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